人間と共存する野良ネコたち - 聖教新聞 体験談そのほか気になる記事

人間と共存する野良ネコたち

メスの野良猫.PNG
海岸の岩場に置かれた雑魚がネコのエサに
なっている(福岡/相島で、筆者撮影)


人間と共存する野良ネコたち(1)

 西南学院大学准教授 山根明弘

「相島」では自然な距離感 ハンターの姿を隠し持つ

ネズミを退治するため


学生時代から通称・ネコの島という相島(福岡)で野良猫の調査を
しています。ここの猫たちは、完全に野生化しているわけではなく、
民家のそばで生活し、人間と共存しています。

漁業が中心の島だけに、港では魚をさばいたとき、アラや内臓などが
生ごみとして出ます。それをネコが食べて育つという仕組み。
廃棄物をまとめておくと、猫がたちどころに食べてくれるので、島民に
しても助かっているわけです。

もちろん毎日生ごみが出るわけではありません。漁に出られない日も
あります。そんな時、猫たちは、野山で小動物などを捕らえてエサに
しているのです。

日本人とネコの関係は1400年ほど前。中国から渡ってきた仏教にの経典
をネズミから守るために、一緒に持ち込まれました。農耕民族の日本人に
とって、米を食い荒らすネズミを退治してくれるネコは、非常に役に立つ
動物。

また、漁師にとっても、船体をかじるネズミを退治するために重宝した
のです。”人間のそばに野良ネコがいて、自然に共存できている状態”。
これが昔からある人間とネコの距離感なのだと思います。

 しかし、近年、都市部などで、おなかをすかせた野良ネコを見て、
かわいそうだからと簡単にエサを与えてしまい、結果的に野良ネコが
繁殖して、殺処分になるという悪循環が起きています。

 地域ネコとして繁殖を管理して、不妊去勢手術を施しているところも
あるほど。都市部では仕方がないことなのかもしれませんが、最終手段
としての不妊去勢であって、相島のように人間とネコが同じ町の中で
暮らしていける方法があるのではないかと思うのです。

 相島では、野良猫のために、買ってまでエサを用意することは
ありません。野生動物と同じように、エサが少なくなれば、子猫が育た
なくなって、自然と数が減っていきます。

人間は人間としての生活を守り、野良猫は野良猫として生活する。
双方ともあまり干渉せずに、それでもそばにいる。これが理想の関係だ
と思っています。

野良ネコ 2.PNG
消火栓の上で安心しきって眠っているネコ、
住民も気にしていない(同)


メスの子育ては命懸け

ネコの身体能力は、1万年前の野生のヤマネコ時代から、ほとんど変わっ
ていません。音もたてずに獲物に忍び寄り、一気に飛びかかって、
息の根を止める。

普段は一日中寝ているような飼い猫でも、そんな野生のハンターの姿を
隠し持っています。

 ネコの身体を観察すると、狩りをする仕組みに気づきます。代表的な
ものは、鋭い牙(犬歯)と爪。ネコの牙は細く、先端が鋭くとがって
います。これは獲物の頸椎の間に突き刺して、瞬時に脊髄を
切断するため。

また、猫の前脚は獲物に抱き着けるよう、前後だけでなく、内側や外側に
も自由に動かすことができます。

 よく子猫が人間にじゃれついて遊ぶ時、私たちの手足に爪を立てて抱き
着いてきて、甘噛みをしていることがあります。
これは私たち飼い主を獲物に見立てて、とどめを刺す練習をしているの
でしょう。

 このような野生的な荒々しさも魅力ですが、私が感じる一番の魅力は
「メスの強さ」。一般的に哺乳動物は、メスが子育てをして、
オスは何もしません。ネコの場合も、妊娠したメスは単独で出産し
子育てをします。

 相島で見かけたメス猫は、安心して出産・子育てができるよう、まずは
慎重に場所探し。オスによる子殺しの危険性があるため、隠れ家をオスに
見つかると、すぐに場所を変えてしまう程。

お腹が大きくなると、胎児のために栄養も取らなければなりません。
そのためのエサ探しも自分だけで。もちろん生むときも単独です。さらに、
子猫たちに乳をやるためには、ものすごいエネルギーが必要です。

子供たちを守りながらエサを探し、食べ物がない場合には、自分の身体が
痩せ細ってガリガリになってしまう程。

 野良猫の子育ては危険と隣り合わせ。でも、子孫を残すために
精いっぱい生き抜いている。この生き物としての強さがネコの魅力だと
思うのです。 =談 (西南学院大学准教授)

 やまね・あきひろ 1966年、兵庫県生まれ。国立環境研究所、
京都大学霊長類研究所、北九州市立自然史・歴史博物館学芸員を
経て現職。著書に『ねこはすごい』『ねこの秘密』がある。

   (聖教新聞)


野良ネコ.PNG
この写真の野良ネコたちは(3,4ひきはいるけれど、写真は1ぴき、いつも一緒に
いるとはかぎらない。私が住む地域の柳島海岸にいる野良ネコたち)
野良ネコと言っても近所の心根の優しい人たちが「えさ」を持ってきてくれる。
この人たちは私の知人でもある。


 
「人間と共存する野良ネコたち」を読んで

 西南学院大学准教授 山根明弘

「人間と共存する野良ネコたち」を読んだ感想はメスの野良猫の生き方が
強烈に印象に残りました。メスの野良猫はすごい!

出産から子たちを守り育て、そして、自分だけでエサ探しまで
しなければいけない。

 人間でいえば、旦那がいなくて、一人で働き、子育てしている離婚した
女性ですね。いや、それ以上に厳しい。野良猫の生活は危険がいっぱい。

これに反して、ペットの飼い猫はネコ本来の本能を忘れたようにぼけて、
好きなように飼われている。今は野良猫以外は、野外を自由に動ける
ネコはほとんどいない、ようだ。

子供のころ、田舎の我が家で飼ってたネコたちは、この野良猫に近い生活を
していた。ここに書かれているネコと形態はほぼ同じ。

 家の出入りは24時間出入り自由、出かけたい時に出かけ、家にいたい時に
家にいて、どこでも好きなところで屋内でも、屋外でもごろ寝している。だが、

ネコだって、昼寝してるだけではない。獲物も狙うし、縄張り争いで喧嘩も
するし、季節になれば、恋愛もする。

昼はもちろん、夜も猫の出入り口はいくつもあった。

 ネコは複数、長期にわたってかっていた。その中で頭のいいネコは窓が空いて
なければ、前足で開けて、入れたし。でも、そんなことしなく
ても、床下から、破れ障子からなどなどいくらでも入れた。

エサも家族の食べ残しを与えるくらいで決まった食事は与えなかった。
これは田舎だから出来ることであって、今の都会ではやりたくても出来な
いことだ。


posted by mity504 at 18:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ペット・犬・猫
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