全米大学ランキングでもトップクラスのスタンフォード大学
医科大学院
世界の体験プラザ
ノーベル賞教授のもとで『認知症』を研究(2)
臨床医の経験生かし治療法探る
スタンフォード大学 博士研究員
アメリカSGI 黄 郁文(ファン ユーウェン)さん
「何のため」忘れず
2001年、米国の伝統校ペンシルベニア大学に1セメスターの短期留学へ。
ここで脳神経内科に配属されたことが、脳に興味を持つきっかけに
なりました。
台湾大学卒業後、同大学医学部付属病院で神経科医に。
2年連続で「優秀論文賞」を受けることもできました。そして、
大きな転機になったのが05年です。
大阪で国際医学セミナーがあり、私は論文を発表する予定でした。
ところが同時期に、私が技術部員を務める台湾SGI太平洋合唱団の
北京大学交流が重なったのです。どちらを選ぶべきか、祈って
決めるしかないと唱題に挑戦。
すると、不思議なことにセミナーが延期になり、結果的にどちらにも
参加できたのです。
晴れ晴れとした気持ちで大阪から台湾に戻ると、行政院国家科学委員会
「青英留学計画奨学金」審査の合格通知が。合格率2%の口頭試験も
通過し、留学4年間の学費と生活費の全額を奨学金でいただくことに
なったのです。
06年から6年間、ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程で、学び、
その後、スタンフォード大学医科大学院のポストドクターになりました。
憧れだったトーマス・スードフ博士の研究室に晴れて合格を勝ち取ると、
翌年、スードフ博士がノーベル賞を受賞し、本当に驚きました。
さらに驚いたのは、受賞後もそれまでの日々と変わらず、研究に情熱を
注ぐ博士の姿を目の当たりにした時です。周囲の評価とは無関係に、
自身の研究を貫く姿勢に頭が下がる思いでした。
私自身も本年9月、国際アルツハイマー病協会(北カリフォルニア・
北ネバダ地域)から、研究に対して、「優秀賞」いただきましたが、
何が大事か、何のための研究か、その根本の一点を決して忘れては
ならないと誓っています。
臨床から離れ、研究に没頭すると、時に、現場とのつながりを
なくした気になります。しかし、決してそうではありません。
認知症の原因を解明し、治療法を確立することが、現場の患者の喜びに
つながります。
”心”は必ず伝わる。そう確信し、日々の研究に挑戦していく決意です。
ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了式で
(右端が黄 郁文(ファン ユーウェン)さん)
おわり (聖教新聞、2016/11/07)
まとめ
世界の体験プラザ ノーベル賞教授のもとで『認知症』を研究(1)
世界の体験プラザ ノーベル賞教授のもとで『認知症』を研究(2)
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