信仰体験 いま想う 戦後71年の歩み 信心で無力感は使命感へ(2) - 聖教新聞 体験談そのほか気になる記事

信仰体験 いま想う 戦後71年の歩み 信心で無力感は使命感へ(2)

通信兵として3.PNG
中国大陸の戦場で連絡を取る通信隊の兵士
(毎日新聞社提供)


信仰体験 いま想う 戦後71年の歩み

戦場で奪われた無数の命を胸に――

信心で無力感は使命感へ(2)

通信兵として中国大陸に出征

 戦から10ヶ月後、山口県のわが家にたどり着いた。玄関に飛び
出してきた両親は、生きて帰った息子を前に、しばらく絶句していた。
その後、闇米を求めて鹿児島へ行ったり、出稼ぎのために北海道の
炭鉱へ行ったりするうち、48年に、戦友から横浜での仕事を紹介された。

ところが、体調が良くない。元気が出ない。戦場での日々が、磯村さん
の心身をすり減らせていた。半年間、休養しては仕事に復帰し、
しばらくしてまた休養、、、そんな生活を繰り返した。

結婚もしたが、健康は取り戻せなかった。そんな磯村さんを見ていた
近所の知人から、創価学会の座談会に誘われた。参加すると、中心者から
諭された。

「この信心をやったら、必ず元気になる。一緒にやろう」その場で
決めた。53年8月のことだった。「『その代わり、折伏をやらにゃいけん』
って言われてね。そのころ、住んでいた会社の寮に10世帯ぐらい入って
て、片っ端から信心の話をして、6世帯が入会したよ」

 56年には、若き池田SGI会長が指揮を執った山口開拓指導に加わり、
故郷で家族や友人33人を入会に導いた。
人の幸福に尽くす日々に喜びを感じた。気づけば体調を崩すことは
なくなっていた。

「入会を決めた座談会で『あんたは病気じゃない。しっかりしなさい』
って励まされたんじゃ。戦争で感じた無力感を引きずっていたのかも
しれん」

65年、折伏した実家の家族へ信心を教えるため、横浜から山口へ転居。
妻の勢津子さん(故人)から、「うちにはお金がないけれど、7人の
子どもたちのために、必ず宿命転換しょうね」と背中を押され、
貧乏と戦いながら、電気工事店を開業。
やがて安定した生活を送れるようになる。

60歳だった85年から町議会議員を3期12年務めるなど、地域の発展に
尽くした。その懸命な仕事ぶりは、それまで学会に偏見を抱いていた
知人が、周囲に「磯村さんを見習って、創価学会に入りなさい」
と勧めるほどだった。


暦を迎えた磯村さんは、”世界平和のお役に立てれば”と、
国際協力機構(JICA)が推進するホームステイの受け入れを始め、
昨年まで約30年間、続けてきた。アフリカのギニアビサウ、
南太平洋のフィジー、東南アジアのフィリッピン、マレーシア、
そして中国、、、言葉も文化も異なる人との交流の原点は、戦中にあった。

 当陽にいた時のこと。警備に就いていた磯村さんに、現地の住人が
泣きながら訴えてきた。「日本兵に鍋を持っていかれた。返してくれ」。
戦友と付いて行くと、工兵が鍋で料理をしているところだった。

磯村さんが「返してやれ」と叱ると工兵は素直に応じた。すると後日、
その中国人が、磯村さんと戦友を自宅に招き、ごちそうで
もてなしてくれた、、、。

「わしらが遠慮するだろうからって、相手のお父さんが料理を
取り分けてくれてね。いわば敵地なわけで不安もあったし、言葉も
通じなかったけど、同じ人間として真心が通じ合った」

だが、現実には命令に従い、日本兵は中国兵を攻め、殺さなければ
ならない。戦後になり、磯村さんは、心のどこかで、戦争の不条理を
解決する方途を求め続けていた。そして、創価学会の信仰に励む中で、
その方途を見だしていった。

「人間革命を進めていかなきゃいけない」。磯村さんは自分自身が
そうだったように、折伏した相手も、唱題と折伏の実践によって
蘇生する、数々の実証を目の当たりにしてきた。

SGI会長は、仏道修行によって得られる「心の財(たから)」
について語っている。〈「心の財」とは、生命の強さ、輝きであり、
人間性の豊かさである。さらに、三世永遠にわたって、崩れることの
ない福運ともいえよう〉

60年間、真面目に信心を貫いてきた磯村さんは実感している。
「日蓮大聖人の仏法は、わしらが『生も歓喜、死も歓喜』の絶対的
幸福境涯を開けることを教えてくださっている。全ての人間生命に、
計り知れない可能性があるっちゅうこと。それほど生命を尊ぶ宗教
なんじゃ」

戦場で奪われた無数の命を思う時、磯村さんの胸は痛む。


そして今も世界各地で争いが続き、悲惨な事件は後を絶たない。
「だから、創価の生死不二の正しい哲学を世界に流布していかないと、
平和はない。それを今、池田先生が進めておられるんじゃ」

磯村さんが、これまで入会に導いた人は100人に上る。そして
90歳を過ぎた今も、使命感を燃やし、平和を創る戦いを続けている。
 (幸)
 
 (聖教新聞 2016/09/01(木))

  おわり

まとめ
信仰体験 いま想う(9)戦後71年の歩み 信心で無力感は使命感へ(1)
信仰体験 いま想う(9)戦後71年の歩み 信心で無力感は使命感へ(2)

 
 戦争ほど、残酷なものはない。
 戦争ほど、悲惨なものはない。
 人間革命 第1巻 黎明

人間革命 (第1巻) (聖教文庫 (8))

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